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ターンオーバーとはなにか? 肌の生まれ変わり=新陳代謝で、表皮を新しく保つ。
よく、ターンオーバーという言葉を耳にすると思いますが、これは「生まれ変わり」という意味です。
肌の生まれ変わり(新陳代謝)をターンオーバーといいます。皮膚の構造は「表皮」「真皮」「皮下組織」からできています。
表皮はいちばん内側から「基底層(きていそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「角質層(かくしつそう)」と4層構造になっています。
基底層で生まれた細胞は時間とともに表面に押し上げられ、無核となり死んだ状態で角化細胞となりますが、この細胞は新しい細胞に押し上げられるようにして表面まで上がり、最後は垢(角片)となって自然にはがれ落ちる仕組みとなっています。
このサイクルがターンオーバーです。
ターンオーバーの期間は4週間(28日)とよくいわれますが、その28日間がどこからどこまでかというと、表皮細胞が生まれて、4つの段階を経て細胞が死に最後に垢となって剥がれ落ちるまでの日数に相当します。
細胞分裂に要する19日間を除いた表皮が押し上がる14日+表皮が剥がれ落ちる14日で合計28日となるわけです。
20代くらいまでの若いうちは、表皮のターンオーバー日数は28日くらいなのですが、年齢とともに次第に遅くなり、40代に入ると40〜50日、60代では100日もかかるといわれます。
そのため、年齢が上がるとともに傷やニキビが治りにくくなったり、痕が残りやすくなるのです。
ターンオーバーを低下させないために、美容医療クリニックなどではピーリングなどの角質ケアを行いますが、最近ではピーリングが自宅でも手軽にできるような化粧品が発売されています。

肌荒れの原因とターンオーバー
私たちが「肌の美しさ」という場合の「肌」は、最上層の角質層を指しますが、この角質層の見た目が美しいかどうかが、肌の美しさを決める大事な要因になります。
美肌を維持するということは、表皮を構成する細胞のである角化細胞(ケラチノサイト)が生まれてから垢となってはがれ落ちるまでの角化の過程を、 スピーディに滯りないよう手助けすることともいえます。
つまり、角化とはターンオーバーであり肌代謝そのものであるのですが、それが妨げられる場合とは、どのような場合でしょう。
①ターンオーバーが乱れる場合
ターンオーバーの第一段階である基底層での細胞分裂は、主として睡眠中に行われます。
睡眠中は、脳の活動が低下しますが、代わりに体の中で代謝や修復が行われるのです。つまり、睡眠時間はターンオーバーに欠かせないだけでなく、寝不足になると十分に行われなくなります。
睡眠不足が続き、代謝が十分に行われなくなることが続くと、角質細胞がきれいに層状に並ばなくなるため、きめが乱れたり、くすみが発生したりします。
また、十分に角化が行えなくなることにより、角質細胞が不揃いになり、すき間ができるので、肌を守るバリア機能が低下するのです。
これが敏感肌の原因です。睡眠不足以外にも、ストレスや栄養の偏りもスムーズな角化を妨げます。
②ターンオーバーが遅くなる場合
一般的には加齢とともに新陳代謝が低下し、ターンオーバーの期間は長くなり、遅くなります。ターンオーバーには個人差がありますが、一般的に20代で28日間程度だったのに対し、30代~40代になると45日程度はかかるといわれています。
年齢とともにちょっとした傷も治りにくくなっていくのはそのためです。
加齢によって肌代謝が下がるのです。この結果、表皮全体が痩せて薄くなり、代謝されない古い角質が反対に厚く積もります。表皮が薄くなるとシワとなり、また、角質が厚くなると肌の透明感は失われます。
③ターンオーバーが早まる場合
正常な状態よりも逆にターンオーバーが早まる場合もあります。
乾癬(かんせん。皮膚から少し盛り上がった赤い発疹の上に、銀白色のフケのような垢が付着し、ポロポロとはがれ落ちる病気)やアトピー性皮膚炎などの皮膚が炎症を起こす疾患などで、このような現象が認められることがあります。
また、擦りすぎて角質を無理やり剥ぎ取ってしまうと、肌はそこを修復しようと角化が早まることがあります。
ターンオーバーが早まりすぎると、十分に成熟していない未熟な角質細胞が表面に上がってくるので、角質層が乱れて乾燥や肌あれなどを引き起こすのです。
ただし、角質を取り除く程度を加減すれば、ターンオーバーを早めて皮膚を若返らせるということもできます。
そのメカニズムを利用したのがピーリングです。ターンオーバーが早まることは、一種の若返りにつながることもあります。
まとめ
ターンオーバーは、生活習慣、加齢、また過度な皮膚への刺激によって、遅くなったり、早まったりすることがわかりました。ターンオーバーの仕組みをよく理解することで、スムーズで早いターンオーバーを維持することも不可能ではありません。
肌のトラブルに悩んでいる人は、いま一度、ターンオーバーの仕組みを理解して、自らの生活に活かしてみてはいかがでしょうか。
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